エアロとの楽しい生活。体脂肪率は落ちていきますが・・・。
前編はこちら
愛犬エアロ
https://www.rentalism.jp/note/372/
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エアロは運動を促すだけでなく、僕の食事もチェックしている。視覚センサーによってカロリーや栄養素を算出する機能が備わっているらしく、脂っこいものやお菓子なんかを食べていると、ウーッウーッと唸り、それでも食べるのをやめないと、テーブルの上をめちゃくちゃにしてしまう。おかげで自然とバランスのよい食事を心掛けるようになった。
この前、どうしても食べたくなってポテトチップスを開けたら、エアロはすぐさま唸り、僕から袋を無理矢理奪って、中身を全て床にぶちまけた。さすがにこの暴挙には「おいおい、ふざけんなよ」と一瞬ムカついたが、散らばったポテチを踏んだエアロがパリッ、パリッという音を気に入って、ぐるぐる回りながらパリパリ音で遊びはじめたので面白くて笑ってしまった。厳しいばかりでなく癒しも与えてくれるから、エアロと暮らすのはやめられないのだ。
ちなみに、気をつけなければならないのは家での食事だけではない。エアロはめちゃくちゃ鼻が利くので、外食の匂いも嗅ぎ分けてしまう。
僕がラーメンを食べて帰ってこようものなら、その匂いを嗅ぎつけて大暴れだ。昔はよく会社帰りにラーメンを食べて帰っていた僕だったが、今ではラーメン屋の前を通っても、エアロが大暴れする様が頭を過り、おとなしくさせる労力を考えて、「やめておくか」と帰路に着く。まったく、つくづく健康にいいペットである。
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エアロがやってきて半年、僕の体重と体脂肪率は順調に落ち続けている(エアロに跨ると自動で計測され、スマホに数値が記録されるので便利だ)。「可愛がるほど、痩せられる。」そのキャッチコピーに偽りなし。
もうエアロのいない生活は考えられないくらい、僕にとってエアロは大切な相棒となっていた。
しかし、別れの日はやってきた。僕の体重と体脂肪率が、最初に登録した目標数値に到達したのである。エアロバイク犬はレンタル商品であり、飼い主がダイエットを成し遂げると、契約終了となる仕組みだ。わかってはいたが、いざその日が来ると悲しくて涙が出てしまった。
販売元からレンタル終了の連絡があり、運送会社がエアロを迎えに来た。僕は最後に、エアロをぎゅっと抱きしめた。メタリックな頬がひんやりと気持ちいい。
「エアロ、短い間だったけど楽しかったよ。それにほら、こんなに痩せられた!」
シャツをめくって、贅肉が落ちて薄ら腹筋が出てきたお腹を見せると、エアロは嬉しそうにワン!と鳴いた。
「ありがとうな、エアロ!元気でやれよ!」
エアロは大きな段ボールに入れられ、トラックで運ばれていった。僕はトラックが見えなくなるまで、ずっとずっと手を振っていた。
平らな腹と引き換えにエアロを失った僕は、すっかりペットロスとなってしまった。このままでは暴飲暴食に走りかねない。せっかくエアロのおかげで痩せられたのに、そうはなりたくない。ちゃんとこの体型を維持しなくては。
そんなとき、一通のメールが届いた。
「エアロバイク犬をご利用いただきありがとうございました。おすすめの商品のご案内です。」
僕はそこにあったリンクをクリックした。
数日後、僕の家に段ボールが三つ届いた。
「キャン!キャン!キャン!」
梱包を開けると飛び出して来たのは、ダンベル犬、腹筋ローラー犬、バランスボール犬の三匹。みんな元気いっぱいで、さっそく部屋の中を駆け回っている。
これから騒がしくてムキムキな日々がはじまりそうだ。
<完>
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出会いがあれば、別れもある。
同じように、別れのあとには新しい出会いがやってくる!
波乱万丈なムキムキ生活が、またここから幕を開けそうな予感がしますね。
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