真冬の日、空気は乾燥していて、息を吸うことさえも一苦労だった。まゆみは毎日のケアを欠かさないため、除湿器を使っていた。しかし、それが一つの間違いにつながるとは、まだ気づいていなかったのだ。
朝晩に彼女の部屋でほうほうの体（てい）で動き回っていたのは、間違えて設置した除湿器だった。お肌は日々乾燥していき、ついには布のような乾燥した感じになってしまった。鏡の中のまゆみは、その姿にショックを受け、すぐに除湿器を止め、本当に必要だった加湿器をつけた。
時間が経つにつれ、部屋は湿度を取り戻し、まゆみの肌も元のすべすべとした状態へと回復し始めた。気づけば、お肌はつるつるのお姫様のようになっていた。この変化にまゆみは驚き、そして喜びを感じた。
ある日、まゆみはトナットナット王国の王子様が主催するパーティーに出席する招待状を受け取った。まゆみはそれを見て目を丸くした。まゆみは王子様が主催するパーティーへの招待は初めてで、何を着ていけば良いのか、どう振る舞えば良いのかと頭を悩ませた。
パーティーの日、まゆみは絹のように滑らかな肌を見せつける美しいドレスを選び、勇気を持って会場へ足を運んだ。ドアを開けると、すぐに数人の人々が彼女の美しさに気づいて声を上げた。
王子様はまゆみを見つけると驚きの表情を浮かべ、そして笑顔で彼女を迎えた。「まゆみさん、とても美しくなりましたね。」王子様の言葉に、まゆみは照れ笑いを浮かべた。
その夜、まゆみはパーティーで皆から褒められ、王子様と楽しく話をした。乾燥した冬の日々、自分の肌のために闘い、それが見事な成功を収めたことにまゆみは満足感を覚えた。そして、何よりも自分自身を肯定する力を手に入れたのだ。
パーティーが進むにつれ、王子様はまゆみの魅力にますます引き寄せられていった。彼女の笑顔、彼女の言葉、彼女の美しさ、すべてが王子様の心を捉えた。パーティーが終わるころには、王子様はまゆみに思いを寄せていることを自覚していた。
そして数週間後、王子様はまゆみに会いに彼女の家を訪れた。彼はまゆみに対して自分の感情を告白し、「一緒に未来を歩んでほしい」とまゆみに求婚した。まゆみは驚いたが、その後すぐに喜びの笑顔を浮かべて、彼のプロポーズを受け入れた。
結婚式は盛大に行われ、まゆみは再び皆からの賞賛を受けた。しかし、彼女の目は唯一、王子様だけを追いかけていた。王子様と共に新しい生活を始めることを心から楽しみにしていたのだ。
そして結婚の引き出物として、まゆみは特別なものを選んだ。それは、自身の美しさを取り戻すために大いに役立った加湿器だった。まゆみはゲストたちに対して、”自分自身のケアは何よりも大切”というメッセージを込めた引き出物を提供した。
まゆみと王子様は幸せな生活を送り、まゆみの肌は常につるつるのお姫様のように保たれた。そして、まゆみはいつでも、自分自身を大切にし、自分自身のために、そして他人のために最善を尽くすことの大切さを忘れることはなかった。
結婚してから3年が経過し、まゆみと王子様は待望の赤ちゃんを授かった。生まれてきた女の子はとても美しく、まるで玉のように輝いていた。2人はその小さな命に”ヒューミディア”と名付け深い愛情を注ぎ続けた。
この名前には、まゆみと王子様の深い思いが込められていた。「私たちの娘よ、あなたが成長し、独立して行く道のりは遠く、困難なこともあるかもしれない。だけど私たちが望むのは、あなたが人々に潤いをもたらす存在になることだよ。心の乾きを癒し、寒さを温め、優しさと愛情を注ぐことで、人々が快適に生きることができるような存在になってほしい。」と。
ヒューミディアは、まゆみの肌のつるつるさを保つための加湿器から名前を取った。しかし、その名前はまた、人々の生活に潤いをもたらす、そのまゆみと王子様の深い願いを象徴していた。
ヒューミディアが生まれてから、トナットナット王国はさらに明るく、活気に満ちた国となった。ヒューミディティは両親から愛情をたっぷりと注がれ、その愛情は彼女の中で育まれ、彼女が大きくなるにつれて周りの人々にも広がっていった。
そして、トナットナット王国の未来の国王となる王子と、王妃となるまゆみは、自分たちの子供が人々に喜びと幸せをもたらす存在となることを信じ、彼女を見守り続けた。
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