湿気に悩まされていた僕は、ネットで見つけたペットボトル除湿法に挑戦することにした。やり方は簡単だ。ペットボトルに水を入れて凍らせ、それを部屋に置くだけで湿気が取れるという。僕は「これなら楽勝だ」と考え、まずは10本のペットボトルを凍らせて部屋に配置した。
ところが、湿度計を見てもほとんど変化がない。これではダメだと感じた僕は、次に100本凍らせてみることにした。冷凍庫をフル稼働させ、部屋中にペットボトルを配置。しかし、湿気は依然として居座っている。
焦った僕は、ついに300本のペットボトルを凍らせるという決断を下した。家中の空きスペースをペットボトルでぎゅうぎゅうに埋め尽くした。ペットボトルは天井近くまで積み上がり、部屋はまるで冷凍庫の中にいるような状態になった。
その結果、部屋の湿度は目に見えて下がっていった。湿気が凍ったペットボトルに吸い寄せられ、結露としてペットボトルの表面に集まる。その度に僕はタオルで拭き取り、満足感を得た。だが、それ以上に、室温がどんどん下がっていくのを感じた。
300本の凍ったペットボトルが発する冷気で、部屋の温度は急激に下がり、ついには10度を切るほどになってしまった。室温が下がれば当然、空気中に含まれる水分量も減少する。湿度計はどんどん低くなり、湿気が完全に消えたように感じた。しかし、それと引き換えに、部屋は凍りつくような寒さに包まれていった。
僕は厚手のセーターを重ね着し、毛布にくるまりながら過ごす日々が始まった。部屋の中はまるで真冬の雪山のようで、息をするたびに白い息が漂う。ペットボトルに囲まれた部屋で、湿度は確かに下がったが、寒さで体がガチガチに凍りついてしまったのだ。
夜になると、布団に入っても寒さで眠れない。部屋全体が冷気に満ち、暖房をつけても効果がほとんど感じられないほどだ。凍りついたペットボトルが結露を吸い取り、部屋の湿度は劇的に下がったが、それと引き換えに僕の部屋は極寒の地へと変貌してしまった。
結局、ペットボトル除湿法は成功したとは言えたが、その代償として、快適な生活は失われてしまった。僕は寒さに耐えきれず、ペットボトルを片付けることに決めた。湿度は下がったものの、室温も下がりすぎたため、逆に生活が困難になったのだ。今では、ペットボトルを見るたびにあの凍えるような寒さの日々を思い出し、二度と同じことをしないと心に誓った。
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今回の「ペットボトル除湿法」についての試みは、まさに「やりすぎ」だったと言わざるを得ません。湿気を取るために手軽な方法として試みたものの、その結果として、部屋全体が冷凍庫と化し、生活そのものが一変してしまうとは思いませんでした。湿度と室温の関係を甘く見た結果、自分で招いた寒冷地獄に陥ることになり、除湿の代償があまりにも大きかったのです。
湿度を下げることができたのは確かですが、それと引き換えに生活の快適さが失われてしまったのは皮肉な結果でした。この経験から学んだことは、どんなに有効な方法でも、バランスを欠けば逆効果になるということです。やはり、何事も適度が肝心です。
次回からは、湿度対策もほどほどに、快適さを保つことを第一に考えたいと思います。皆さんもぜひ、部屋の除湿を考える際には、室温とのバランスを忘れずに。僕のように300本ものペットボトルに囲まれて凍えることがないよう、適切な方法を選んでくださいね。