建築家・隈研吾氏がデザイン監修したシャープのプラズマクラスター空気清浄機が、10月21日に発売されます。
シャープ、55万円の空気清浄機 隈研吾氏がデザイン
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF2630H0W4A920C2000000/
この空気清浄機は、本物の木材を外装に使用し、空間に自然に溶け込むデザインが特徴です。しかし、その評判は分かれています。
コストパフォーマンス
まず、価格が55万円と非常に高額であることが一つの要因です。
一般的な空気清浄機の価格が5万〜10万円程度である中、この新製品は数倍以上の価格で設定されています。隈氏は「使用している木材の品質を考えると決して高くない」と述べていますが、多くの消費者にとってはコストパフォーマンスの観点で疑問が残る部分です。
空気清浄機は空間の主役ではない
次に、デザインが非常に特異である点も評判に影響している可能性があります。木材を使用し、家電らしからぬ外観に仕上げているため、一見して空気清浄機に見えません。これがインテリアに調和する点では魅力的かもしれませんが、日常的に使う家電としてのシンプルさや操作性を求める消費者にはあまり響かないかもしれません。
また、この空気清浄機はそれ自体が空間の主役になろうとしているように感じられますが、多くのユーザーは空気清浄機に主役の役割を求めていないという点も大きなポイントです。
空気清浄機はあくまで控えめに空気をきれいにする裏方の存在であり、インテリアの中で目立たないことを期待されることが多いです。この製品はデザインが目を引くため、部屋全体の雰囲気を左右してしまう可能性があり、ユーザーの求める「控えめさ」とは相反する部分があるかもしれません。特に、ホテルや教育施設などで使用する場合でも、周囲の空間との調和を重視する中で、このように強い存在感を持つデザインが必ずしも歓迎されるとは限りません。
建築家の名前以外の優位性がない
さらに、この空気清浄機には隈研吾氏が手掛けたということ以外の優位性がほとんど見られない点も挙げられます。
有名建築家のデザインという点は確かに目を引きますが、それが消費者にとって実際に有意な価値を持つかというと、決して高いとは言えないかもしれません。空気清浄機としての基本的な機能に関して特に革新が見られないことから、デザインと素材が主な差別化ポイントとなっているものの、それが高価格を正当化するものかどうか、疑問を感じる消費者も少なくないでしょう。
隈研吾氏が初めて家電製品を手掛けたという点で注目されるこの空気清浄機ですが、その評価が分かれる背景には、価格設定、空間における存在感の強さ、そして家電としての実用性に対する疑問が影響していると考えられます。