扇風機は夏場の必須アイテムですが、「当たり続けると体に良くない」と言われます。
扇風機の体温低下のメカニズム
人間は暑いと汗をかきますが、扇風機の風が皮膚表面の汗を蒸発させるときに気化熱を奪います。この気化熱により、体温が下がります。
「打ち水」をイメージしていただくと分かりやすいかもしれません。
真夏の猛暑の中、風が吹いても涼しくなりませんが、打ち水をすることで水が蒸発し、その際に気化熱が奪われるため、周囲の温度が下がります。
扇風機の風が汗を蒸発させて体温を下げるメカニズムも、打ち水と同様に「気化熱」を利用している点で共通しています。どちらも、気体になる際に周囲の熱を奪う現象を活用して、涼しさを得る効果があります。
風に当たり続けることによる影響
1,体温低下
長時間同じ場所に風を当て続けると、体の温度が下がりすぎる可能性があります。特に寝ている間などに体温が適切に調整されない場合、寒く感じたり体調を崩すことがあります。
2,乾燥
風に当たり続けることで、皮膚や喉が乾燥することがあります。風が水分を奪うため、乾燥肌になったり喉が痛くなることがあるため、注意が必要です。
3,筋肉のこわばり
特定の部位に冷たい風が当たると、その部分の血行が悪くなり、筋肉がこわばったり痛みが生じることもあります。
※首振り機能の活用
首振り機能を利用することでこれらを軽減できます。
一般に「扇風機に当たり続けると体に良くない」と言われるのは、1,体温低下のことを指しているのではないかと思います。
「真夏の夜に、扇風機に当たり続けても体調を崩すほど体温が下がるとは思えない」とお感じかもしれませんが、エアコンとの違いを挙げれば、分かりやすいです。
エアコンであれば室内の温度を下げることで、体を冷やします。もちろん設定温度の下げ過ぎは良くありませんが、それで体から熱が奪われ続けるということはありません。いっぽう扇風機は、上記のように気化熱によって体を冷やしますので、扇風機に当たり続けていると、気化熱が奪われ続けるんですね。
扇風機をつけっぱなしで(首振りなしで)寝てしまって、朝起きた時に体がダルいのは、そのせいです。